差動2段ヘッドホン・アンプの製作その1

木村哲(ぺるけ)氏の著書「続 理解しながら作るヘッドホン・アンプ」で作り方が紹介されている「差動2段ヘッドホン・アンプ」を製作しました。

とりあえず本に書いてあった通りに組みました。ぺるけ氏のサイトに多少の訂正情報がありましたので、そちらも見つつ工作しています。
(綺麗な写真が撮れましたが、この写真の個体はめちゃくちゃ適当に組んだせいでうまく動きませんでした。2個目の製作でまともに動くものが組み上がりました)

 

前回記事を書いた「FET差動バッファ式USB DAC V2」はいい感じの音が出てくるまで結構な期間がかかりましたが、こちらは数日の慣らし運転で音が落ち着いていい感じになりました。

 

「FET差動バッファ式~」と比べると少しドンシャリ感があり低音が元気よく出てくる印象で、ふだん愛用している静電型や開放型のヘッドホンで低音を気持ちよく楽しむことができました。低音が強く出る密閉型のATH-M50Xで聴いてみてもそれほどうるさくなる感じでもなく、エネルギッシュな音でいい感じです。

→(数か月使ってみた結果、「FET差動バッファ式~」もこちらも同じような感じの音に落ち着きました。本機についての『少しドンシャリな印象』も今は特にないです)

 

原価を考えると信じられないくらい音がよく、単純なリスニング用途としては音楽制作時に愛用しているRME Fireface UFXよりも解像感が高いと断言できます。
(UFXに関しては長年愛用しているので少し物理的にへたってきてます。音出ないチャンネルとかあるしそのうち修理出したい…)


製作の感想

特にトラブルがなければ10時間程度で回路部分は一通り組み上がると思います。
週末の工作くらいのノリで挑めるのではないかと思います。

ぺるけ氏指定のTakasuの基板を使って工作を行いましたが、工作開始前に裏で繋がっているラインをこんな感じでなぞっておくと組み立て時もトラブルシューティング時もやりやすいです。


また、リード線を這わせたら紙の方に蛍光ペンでマークしていましたが、這わせたはずのリード線が数ヶ所はんだ前に外れて消えていました。配線のチェックについては実際のはんだ付けのタイミングでやった方がいいかもしれません。
「外れにくいように基板裏面に長めに足を出す」という考えもありますが、それはそれではんだ時に意図しないショートが起きる可能性が高まりますので手としてはあまり良くない気がします。(FET差動バッファ式USB DAC V2の製作ではこれが原因のショートを発見するのに時間がかかりました)


部品数はそこそこ多いですが、素子の選別をする必要がなく書いてある通りに部品を付けていくだけで完成するのはお手軽感がありますし、完成直後から結構いい感じの音で鳴るので満足感の高い工作になりました。