XP-Pen Artist 13.3 Proを4か月使った正直な感想

今年XP-Pen Artist 13.3 Proを購入して4か月ほどガッツリ使い、その後XP-Pen Artist 16 Proに乗り換えました。
XP-Pen Artist 13.3 Proの良かったところと悪かったところを書いておきたいと思います。

 

良かったところ

・安い

XP-Penは月に1回くらいの頻度で割引セールをしていて、2022年時点ではArtist 13.3 Proはセール期間であれば3万円を切る値段で売られていることが多いです。

・最初から保護フィルム貼られてて台とかグローブとか付属してるのはいい感じ

特に2本指グローブが付いてたのが良かったです。板タブを使っていた時にはあまり欲しいと思ったことはなかったのですが、液タブだと画面が汚れるので素手で描くのはだいぶ嫌な感じがします。台は角度調節不可ですがコンパクトで邪魔になりません。

・新品を3万弱で買ったけど売るときは2万↑で放出できた

2022年10月時点では状態の悪くないものであれば中古相場は2万円を超えているので、完品状態を保っていれば悪くない値段で売れます。人気機種で流通量もそこそこあるようなので買ってくれる人を長々と待つこともなく即売れで放出できました。この辺の状況は時間が経てば変わってくるとは思いますが、今の時点ではリセールバリューが高いので気に入らなくても気軽に売れます。

・性能はそんなに悪くない

不満が出てきたことで売却した事実はありますが、値段を考えれば普通におすすめできる程度の性能ではあると思います。液タブの入り口としては必要十分な能力があると思います。


不満に感じたところ

・本体ボタン類、ドライバユーティリティソフトが信用できない

この液タブを買った当初は本体のボタンやホイールを使って絵を描いていましたが、色々と凝った設定をしても翌日になると全ての設定が消えています。設定をファイルに保存したりロードしたりもできるはずなのですが、これで設定を復元できたことは一度もないです。ペン側の設定も毎日消えます。(この辺はおま環の可能性もある気はします)
もしかしたらWindows11にするといい感じに動くかもしれませんが、OS切り替えのタイミングで音楽制作環境崩壊という体験を今まで何度もしてきたので出来る限りOSはWindows10から動かしたくないのもあり、毎日作業開始前に設定を直すのはしんどいので本体ボタン等は使わないようになりました。
秋頃に一度ユーティリティソフトの見た目が大きく変わるような大きいアップデートが入ったのですが、動作に関しては特に変わりありませんでした。

・ON荷重が12gとやや大きめで、筆圧ゼロ判定されるラインがやや高い

描くことに段々慣れてくると、強弱をつけたメリハリのある線を描こうとしたときに弱の部分の表現が難しいことが気になってきました。
これは「ON荷重」という数値がやや大きいことが原因で、「ON荷重12g」だと12gの筆圧がかかるまで描いた判定されません。普段から軽い筆圧でサラサラっと書いているようなタイプの人だと相当違和感のある書き味だと思います。
最初はその辺りは慣れとか設定で何とかなるかな?と思っていましたが、結局筆圧による強弱の表現はほぼせず全体的に強めの筆圧でガリガリ描く描き方になっていきました。16 ProはON荷重3gなので乗り換えたことで相当描きやすくなりました。

・応答速度が遅い

ネット上の液タブスペック比較記事を見ると「13.3 Proの応答速度は14msと速く優秀」ということで薦めている記事が多いのですが、この応答速度は(多分)嘘です。
13.3 Proの製品ページでは『反応時間』が14msとありますが、XP-PENの「製品比較」ページでは『応答速度』が30msとなっています。
英語版サイトでは「反応時間」も「応答時間」も「Response Time」として表記されていて、製品ページでは「Response Time:14ms」、スペック比較ページでは「Response Time:30ms」です。
当初はPCやお絵描きソフト側で遅延している可能性を疑っていましたが、16 Proに換えたところ明らかに反応速度が改善したのでこの数値は実際には30msかと思われます。

・レポートレート(スキャンレート)についても物凄く怪しい

買い替え前には13.3 Proのスペックシート上の数値を全く疑っていなかったので13.3 Proを実測した数字が手元にないのですが、ペイントソフト上で文字を素早く書くとレポートレートが13.3 Proより低いはずの16 Proの方が明らかに正確に描画されます。
これは16 Proのレポートレートの方が優れていることを示唆していて、実機の描画の差を見ると13.3 Proが仕様通りの性能が出ていたと思えなくなりました。
もしくは最近の機種になってレポートレートの測り方が厳しくなったのかもしれませんが、13.3 Proと16 Proの間には製品比較ページ上の数字に疑問を感じざるを得ないレベルの性能差があります。


最悪

・上記の応答速度の件で問い合わせたが明確な返答がない

応答速度の件について、この記事を書く1週間以上前にXP-Penのサポートに「これどっちの数字が正しいんすか?」という問い合わせメールを送っていますが、問い合わせから数日後に「製品部に確認しております」と返答があったのみでその後進展がありません。
「ごめん悪い方の数字が正しいわw」程度の返答が返ってくると思っていたのでこの対応には正直驚いています。製品仕様、しかも非公表データではなく自ら公表している数値について問い合わせただけで返答に詰まるメーカーなんて有り得るか?って話です。

16 Proのコスパに感動していた時は次の液タブを買う時も当然XP-Penでと思っていましたが、正直なところこの1件でXP-Penはないなという気持ちに変わりました。

 

別にネガキャンをしたくて記事を書いたわけではないので、まともな返答が返ってきたら速やかに記事を更新します。

 

2022/12/12追記
「Artist 13.3Proの応答速度14msって書いてあるけど?」と指摘をうけたので見に行ったところ、30msと書かれていたところが14msに修正されていました。
サポートからの返答は一切続報がない状態ですが、なんかサイト側は修正されたみたいです。
13.3Proのレポートレートや応答速度については、特に実際に16Proを買ってきて比較すると「ぶっちゃけこの数字は嘘でしょ」という思いしかないので、
買ったモノそのものには満足しているのにメーカーの姿勢にどうしても文句を言わなければならない感じになってしまい複雑です。